2011年2月アーカイブ

『日本教育工学会論文誌』ショートレター特集号に,向後千春先生との共著論文が掲載されました.

冨永敦子・向後千春(2010)ブレンド型大学授業における授業形態の好みと成績との関連.日本教育工学会論文誌,34(Suppl.),37-40

本論文は,2009年10月日本教育工学会研究会(信州大学)で発表したものを修正したものです(詳細はこちら).研究会では,調査項目や分析方法に関するご指摘・ご質問をいただきました.それを参考に修正しました.的確なご指摘,ありがとうございました.

お忙しい中,丁寧かつ厳しく査読いただいた皆様,ありがとうございました.
ご指導くださった向後先生,ありがとうございました.
研究というものは,いろいろな方々に鍛えていただき,ようやく形になるものだということがよくわかりました.

うれしいことがもう一つ.
拙著『教師のためのエクセル活用術 第2版』が重版となりました.
こちらはテクニカルライターとしての仕事です.この本も,編集者とデザイナーとの協力のもと,執筆しました.

 

2月10日-12日,文教大学情報学部で集中講義「テクニカルライティング」を担当しました.

本講義は,eラーニングとピアを組み合わせたブレンド型授業です.eラーニングで文章の書き方を学んだ後,課題を作成し,ピアでその課題について検討します.eラーニングを受講していないと,課題はうまく作成できず,ピアに参加しても話についていけないしくみになっています.

そのため,ほとんどの学生はeラーニングをまじめに受講します(そうでない学生もいるようですが).授業後のアンケートによると,eラーニングのコンテンツを途中で止めてメモをとったり,課題作成時に何度も見直したりするそうです.そのため,学習時間はコンテンツの時間の倍以上にもなります.学習時間が増えることにより理解度が上がる-eラーニングの長所の一つです.

授業終了後,学生に「授業前よりよく書けるようになりましたか?」と尋ねたら,「前よりいろいろ考えるから,時間がかかるようになった」と答えました.

それは進歩したということですよ.いままでどれだけ無自覚に文章を書いていたのか.それが「いろいろ考える」ようになったわけですから,大きな進歩だと思います.


 

2月5日-8日,鹿児島大学理学部で集中講義「日本語テクニカルライティング演習Ⅱ」を担当しました.

昨年度と同じく,自分でテーマを決め,先行研究を調べ,レポートの問い・目的を立て,それに従い,マップ→アウトライン→執筆という内容でした.最期にスライドを作って,グループ内でプレゼンを行いました.

昨年度と異なるところは以下の2点でした.

  • レポートのページ数を少なくし,量的な負荷を軽くした
  • 校正・推敲支援ツール「Tomarigi」と,文章構成理解支援ツール「Hinako」を利用した

量的な負荷を軽くしたせいか,昨年度よりも授業後アンケートの結果が向上していました.
当たり前のことですが,量的・質的な負荷のコントロールは,授業満足度に大きく影響すると思います.

TomarigiとHinakoは,青山学院大学社会情報学部の稲積宏誠先生の研究室で開発された,文章作成のための支援ツールです.

校正・推敲支援ツール「Tomarigi」
異義語や長文等をチェックしてくれます.でも,一番良いところは,係り受けを視覚化してくれるところだと思います.たとえば,「新しいサークルの企画を指導教員に説明した。」という文をTomarigiでチェックすると,以下のように係り受けを示してくれます. 

tomarigi1.jpg 
この図から,「新しい」が「サークルの」を修飾していることがわかります.でも,「新しいサークル」ではなく,「新しい企画」と書きたかったとしたら,どうすればよいでしょうか?
「サークルの新しい企画を指導教員に説明した。」と修正すればよいですね.この文をTomarigiでチェックすると,以下のようになります.

tomarigi2.jpg 
「新しい」が「企画を」を修飾していることがひと目でわかります.
Tomarigiは,文の中の語句の関係を知るのに適していると思います.学生さんは,無自覚に語句をつなげていきますから,このようなツールで見直すのは大切です.

Tomarigi,Hinakoの詳細は,GPポータルをご覧ください.