2013年9月アーカイブ

日本教育工学会大会@秋田大学で発表しました。9月最初の教育システム情報学会大会に引き続き、テーマはeラーニングメンタです。メンタとは、eラーニング学習者をサポートする人たちのことです。

<前回までのお話>
eラーニング学習者に自由記述によるアンケート調査を行ったところ、以下のことがわかりました。
  • 学習者はメンタを教師の代行と見なしている。
  • 「親近感をもって、迅速できめ細かなサポートをしてほしい」と思っている学習者がいる反面、「即答や密着などは求めない。常識的態度であれば構わない」という学習者もいる。
学習者によって、メンタに求めることはやや異なるようです。

<今回のお話>
eラーニング学習者はメンタの何を重視しているのでしょうか? 優しいサポートでしょうか? それとも常識的に仕事をこなすことでしょうか?

そこで、今回はeラーニング学習者がメンタの何を重視しているのかを測定するための質問紙を作成し、調査を行いました。調査対象はeラーニング学習者260人、有効回答は113人(有効回答率43.5%:男性35人、女性78人:平均年齢44.38歳)でした。

<結果>
探索的因子分析、確認的因子分析の結果、4因子15項目を抽出できました。

第1因子は「学習者への指導」。「専門的な内容をわかりやすく教えることができる」「学習者の間違いを的確に指摘できる」などの5項目からなります。

第2因子は「学習者への対応」。「質問や感想に対してこまめにフィードバックできる」「疑問点について学習者が納得するまで付き合うことができる」などの5項目です。

第3因子は「優しい言葉づかい」。「『上から目線』のような言動をしない」「丁寧な言葉遣いができる」など3項目です。

第4因子は「仕事の遂行」。「教員に指示された仕事を正確に行える」「教員と相談しながら仕事を進めることができる」の2項目です。

因子分析とか因子とかよくわからないという人は、次のように考えるとよいと思います。すなわち、「eラーニング学習者がメンタに求めることはいろいろあるだろうけれど、おおよそ『学習者への指導』『学習者への対応』『優しい言葉づかい』『仕事の遂行』の4つに整理できそう」。

ある学習者は「学習者への指導」の得点が高く、「優しい言葉づかい」の得点は低いかもしれません。また、ある学習者は、すべての得点が高いかもしれません。あるいは、すべての得点が低い学習者もいるかもしれません。
このように、質問紙を作成し、因子分析を行うことにより、その人の特性を知ることができます。

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秋田はとても良いところでした。特に、千秋公園が良かったです。風の音を聞きながら、本を読めたら最高でしょうね。
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9月4日教育システム情報学会(金沢大学)で発表しました。
タイトルは「eラーニングメンター育成コース開発のためのニーズ分析」です。

eラーニング学習者62人を対象に、メンターに求めている態度・行動,必要な知識・スキルについて自由記述によるアンケート調査を行いました。回答者29人(男性9人、女性20人:平均年齢41.10歳)のコメントをKJ法により分類した結果、以下のことがわかりました。

●メンターは教師の代行
履修者はメンターを教師の代行と見なしており、教師よりも身近な存在と感じています。そのため、課題の提出方法の確認や軽微な疑問など、教師にはちょっと質問しにくいこともメンターには気軽に質問することができます。
ただし、回答するときは注意が必要です。メンターは教師の代行なので、教師のような高圧的態度や厳しすぎる態度は嫌がられます。かといって、ため口のように、まるで友人のような非教師的態度もNGです。

●きめ細かなサポートを求める履修者ばかりではない
たいていの履修者は、親近感、謙虚さをもって、肯定的・共感的態度を示しながら、迅速できめ細かなサポートをしてほしいと思っています。しかし、そういう人たちばかりではないようです。「即答とか密着とか求めない」「常識的態度であれば構わない」というコメントもありました。履修者によって、メンターに求める行動・態度は異なるようです。

●専門知識だけではなく、読解力、文章力が必要
eラーニングの授業では、履修者は講義を視聴するだけでなく、BBSに課題の回答を書き込んだりします。これらの回答にフィードバックするのもメンターの仕事です。そのため、メンターには講義内容に関する専門知識だけでなく、履修者の文章を読解するスキル、わかりやすく説明する文章力が必要とされています。これらのスキルを身に付けるためのメンター育成コースの開発が必要です。

メンターに求めること1 メンターに求めること2

発表後、鈴木大拙館に行きました。
静かでとても良いところです。
http://www.kanazawa-museum.jp/daisetz/

鈴木大拙館のサムネール画像