2014年3月アーカイブ

JSET研究会で発表しました

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日本教育工学会研究会@愛知工業大学で発表しました。テーマはeラーニングメンタの第3弾です。

<前回までのお話>
eラーニング学習者がメンタに何を求めているのかを調べるために、メンタ資質尺度を作成し調査したところ、「学習者への指導」「学習者への対応」「優しい言葉づかい」「仕事の遂行」の4因子15項目が抽出されました。

「学習者への指導」と「学習者への対応」はどう違うのか?
「学習者への指導」は実質的な指導を指します。「専門的な内容をわかりやすく教えることができる」「学習者の間違いを的確に指摘できる」などの5項目からなります。
「学習者への対応」は支援態度を指します。「質問や感想に対してこまめにフィードバックできる」「疑問点について学習者が納得するまで付き合うことができる」などの5項目です。

<今回のお話>
「学習者への指導」「学習者への対応」「優しい言葉づかい」「仕事の遂行」のメンタ資質は、学習者の学習達成感、授業内容の理解度、満足度にどのような影響を与えるのでしょうか?
AMOSによる共分散構造分析を行いました。
モデル図.jpg
このパス図で注目したいのは赤色のパスです。これは、「学習者への指導」が「学習達成感」に正の影響を与え、「学習者への対応」から「学習達成感」に負の影響を与えたことを示しています。このことから、学習者への実質的な指導は学習を助けることになり、手厚すぎる過剰な支援は学習の妨げになることが示唆されました。

メンタにとっては、意外、かつ少しがっかりな結果です。学習者の質問に対してこまめにフィードバックしたり、学習者が納得するまで付き合ってきたのに、実はそれが学習の妨げになっていたかもしれないなんて!

でも、よく考えるとありえることかなと思います。たとえば、本当は学習者自身が苦労しながら課題に取り組むべきところを、メンタが必要以上に課題の解き方を教えてしまったらどうでしょう? 学習者はその課題は解けるかもしれませんが、解く課程で習得するはずだった知識やスキルを得ることはできません。自律した学習者を育てたいのに、手厚すぎる支援を行ってメンタへの依存心を高める結果になっていたのかもしれません。

もちろん支援が全くいらないというわけではありません。授業開始時期など学習者の不安感が高い時期や、難易度の高い授業では、丁寧な支援が必要です。大切なのは、学習者の学力・スキル、状況にあわせて、支援の質と量をコントロールできる能力だと思います。